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スタ学在学中のカズ・ハロ・宗・京PLによる妄想ブログ。 スタ学関係者様のみコメント、リンク歓迎。
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「暇だねー」

「暇だなー」



空には真白い雲が悠々と流れ、時折淡い色の花弁を舞わせる風も穏やかな午後のある日。
緑生い茂る自然に溢れた公園の片隅で、其れを堪能するでもなく、かといって邪険にするでもなく、あえて言うのなら総無視してベンチに座り込んだ影が、二つ。

片方は明るい赤茶髪の癖げを持った少年で、もう片方は単一の黒いストレートヘアを持った少女。
色味、で言えば大体逆とも言うべき二人であるが、背中合わせに置かれたベンチに其々腰をかけ、服の皺にも気遣う事無く背凭れに体重を預けて項垂れる姿は正しくそっくり。
年の頃も同じな所為か、まるで同じ体勢を転写して唯男女に塗り分けた…美術の教本のようだ。

休日の折りに、態々公園で待ち合わせをしたわけでも無い二人が出会ったのは偶然に他ならないのだけれど。
どちらも暇を持余してふらふらと街中を散歩していたのだと言う。
そんな友人同士が合わせて知恵を絞り、退屈な休日の午後を盛り立てようとするのに特別な理由は要らないはずだ。
しかし、先ほどから出かける場所だとか、買いたいものだとか意見を出してはみるものの上手く合致するものはまだ見つかっていない。
元より如何して仲良くしていられるのかというほど性格、趣味嗜好は正反対の二人なのだ。
断然体育会系の少年と、当然のように文系の少女。
どこかに妥協でも持ち出さない限り、徒然なる意見交換は永遠に終わらないのではなかろうか。



「そういえば今日は雪読、一緒じゃないんだ?」

「一緒だったよ?」

「いや、いないじゃん…って、だったよ?」



ふと、いつもであれば四六時中一緒に居そうな、白い肌の少女が傍に居ない事を疑問に思って首を傾げた。
彼女はアームメイトであるし、そうでなくとも中々仲が良さそうに見える…本人は否定しそうだが。
休みで外に出る、となれば共だっていてもよさそうなものなのに、と退屈のせいで気だるい瞳を背後へと向ければ、同じように振り返った少女はにっこり、とでも擬音が付きそうな屈託の無い笑顔を浮かべていた。
屈託が実際に無いわけではないことは既に理解しているので、いちいち気に障りはしないが言葉を反芻するうちに違和感を感じて眉根を寄せる。
一緒だった、と過去系にするあたり、詰まる話は…元々は一緒に居た、ということか。
しかも、総ての反論を塗り潰すが如く浮かべ続けられている笑顔に悟るのは、少女のひとつの特徴。



「ああ、キミは稀に見るくらいの方向音痴だったな…」



どうせ何かに気を取られるうちにはぐれて、そのまま迷子になったのだろう。
そう決め付けて振り仰ぐと、やはりお決まりの笑顔で否定も肯定もせずに小首を傾げてくる。
この反応からして、恐らく正解ということなのだろう。
このまま連れの者が現われなければ結局自分が彼女を寮まで送るのだろうか…なんて項垂れて。


「っていうか、のんびりしてていいのか?慌てて探してんじゃないの?」

「いやー、雪ちゃんは慌てないね。舌打ちしながらめんどくさいとか言って見つかんなかったら一人でかえ…………」

「自分の想像で落ちこまないでくんない。」


迷子であると言うのにゆっくりしてていいのだろうかと…まあ、迷ったら動くなとの言葉もあるゆえにそれが一概にいいとは言えないが、焦らぬ様子に問いかけたが、返ってきたのはからりとした笑み声。
まだまだ君も判っていないな、とでも言わんばかりに人差し指を振って、予想される連れの動きを口にして…少々悲しくなってしまったようだ。
一人で勝手に表情を曇らせたのに嘆息を落すと、話題転換も兼ねて肩を竦め。


「でも雪読が慌てるっていうのは見たこと無いな。」

「私も全然無いけど。焦る雪ちゃん可愛いだろうなー。」

「何したら驚くんだろうな。」

「ね、何、したら…」


――くつり。
ほぼ同時に今まで退屈そうだった二人の口端が持ち上がった。
会話はきっと他所から聞けば普通で、いつも無表情で動じない彼女にも吃驚するだとかなんだとか、そんなことがあるのだろうかという、机上の話でしかない。
しかしそこは其れ、行動力溢れる悪戯盛りの若人達である。
嫌な事に、逆なことばかりの二人の癖に斯うした事だけ妙に気があってしまうのだ。

見上げた空はちょうど茜を差し始めた夕暮れ前で、寮に帰るなり、連れを探すなり、そろそろ立ち上がらなくてはならない時刻。
彼女が探してくれているのかは定かでは無いけれど、再開までの間に幾許かの作戦を練る時間くらいはあるだろうか。
ふわり、ふわり、と何処かから運ばれてきた鮮やかな花弁は芳しく、素敵な午後の一時を髣髴とさせてくれる、そんな最中に。
背中合わせに指折る影が二つ、其々に浮かべられた悪戯な表情を見るものは、この場に流れる風しか居ないが。
ああでもない、こうでもないと非常にくだらない作戦を練る、この一時。
きっと退屈だった事なんて忘れてしまっていただろう。










―――KIck the nuts!―――


数時間後、すっかり日の暮れた公園で正座させられた少年少女の姿があったとかなかったとか…













大変遅くなりましたが(この断りもう通年過ぎる)お待たせしました!
一万打御礼企画、続いては魅沖さんリクエストのカズ綴です!あれ違った…リクエストで言うと綴カズだ…
まあシチュが友人同士仲良しこよし!って奴だったんでどっちでもいいですね!
ちなみにタイトルはアメリカ?の某ドッキリ番組のタイトルなんですけど…どんな奴かは調べなくていいですよ。
決行した悪戯もこれじゃないですからね…。
っていうか英語の俗っぽい訳が分かる人だと既にタイトルがどあうつ…←


彼女は退学してしまいましたが、長いお付き合いさせてもらいましたね。
確か綴ちゃんが本家で動き始める前から茶で出会わせてもらいました、し。
大事なもの(そうでもない)も貰ってもらいましたし。
カズにとって彼女は勿論友達でしたが、ちょっと心配な人物でもありました。
いつもからからと明るいのに、ふとしたときに見せる淋しそうな様子とか、たとえば酷く男性を恐れるような言動とか、低すぎる幸せ意識とか。
けれどまだカズ自体が其れを拭ってあげるだけの、贖罪してあげるだけの成長をしていなかった為に、いつも深くは突っ込めなかったという状態でした。
そんなこんななこともあったので、ディアボさんと晴れてお付き合いが始まった折には…是非是非祝福したかった…のに!
退学されてしまうとは…カズは彼女が退学した理由を知りません。
ただ、人との別れ、自分の前から親しい人が居なくなってしまうと言う事に非常に恐れを持っているカズですから、結構落ち込んだと思います。
と、いったところで柳さんと会うっていう…シリアスのターンなのか、そうなのか。
まだ展開は読めませんが、様々な彼女に触れることができて後ろの人はとっても嬉しかったです!
魅沖さん、今後も色んな子、色んなシチュでお付き合いくださいましね!

いつも絡んでくださってマジ感謝してます!この度はリク、ありがとうございました!
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綴カズです、はい。
ありがとうございます!!
これはいい中学生!
二人そろって雪読の氷の視線を浴びながら、説教されればいいと思います。絶対その後、ちょっとした口げんかしてそう・・・。

綴は退学ですが、どうぞお父さんのほうをよろしくお願いします((
魅沖 2011/05/15(Sun)23:09 編集
>魅沖さん
お貸しいただいてありがとうございました!
ええ、雪ちゃんはちっとも驚かなかった上に物凄いくどくどと説教をするのだろうと思いましたwww
綴ちゃんとはしょっちゅう喧嘩してそうでしたが、何となく仲直りしてまたいつもどおり、みたいな感じですよね!

お父さんのほうもまさかの既知ということでありがたく…。
後ろの人は是非是非よろしくしたいです!カズのほうはスレしだいですがね←
紅@カズ・ハロルド・宗・京 2011/05/16(Mon)21:52
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姫純一貴・ハロルド=ガリアンローズ・Shu=Einhard・椿木京一郎PLです。
うちの子も人様の子も大好き。
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